前編:AI搭載ドローンがアクロバティックスを披露



クァドローターほど先鋭かつダイナミックなマシーンは今までにないだろう。熟練の人間パイロットの手にかかれば巧みな操縦も可能だ。自動飛行ロボットの性能が高くなっている一方で、マニュアルで操縦されているものと同じレベルでの精巧性ではないのが現状だろう。

今チューリッヒ大学とETHチューリッヒのRobotics and Perception Groupの研究者たちは、Intelと取組み、「自動クァドローターズに搭載されたセンシングとコンピュテーションのみでアクロバティックな操縦を可能とする」人工知能トレーニングメソッドを開発している。

ここで2点注記したい。まず、クァドローターは外部カメラやモーション追跡システムの力なしで屋外でアクロバティックが可能である(すべてのセンシングとコンピューティングは搭載済)。また、すべてのAIトレーニングはシミュレーションで終えており、現実世界でのシミュレーション(研究者界隈では”sim-to-real”と呼ばれている)のトランスファーの必要性はない。

通常、sim-to-real transfer の段階というのは、外部追跡システムをクァドローターに搭載するという意味合いがあり、研究者がそのシステムについて書いた論文によると、「どれだけ小さい間違いでも壊滅的な結果となる可能性がある」という。

「ゼロショット」なsim-to-real transferを可能とするには、シミュレーション内の人工知能トレーニングは劣った知識を持つ”生徒”コントローラーに何が起きているかを教えられる専門的なコントローラーが必要となる。それは、現実社会でありうる不完全で不正確なデータを応用できる専門的なエキスパートのシミュレーションされたセンサーを使って、”生徒”を誘導させる

研究者が使用するシミュレーション環境はGazeboというクァドローターにシミュレーションしやすいよう微調整したもの。カスタム1.5キロのクァドローターを重量比でいう4:1の抗力で動態実験を行い、Nvidia Jetson TX2コンピューティングボードとIntel RealSense T265と呼ばれるVーSLAM仕様のデュアル魚眼カメラモジュールを使用。学習システムに挑戦すべく、3通りの巧みな技とその組み合わせを学習させた。



すべての巧みな技術は3gほどの高速度と細かなコントロールを必要としており、人間の操縦では特にMatty Flipと呼ばれる技はドローンが後ろ向きで飛ぶ高度な技であるため非常に難しい。しかし、数時間のトレーニングシミュレーションにより、ドローンは完全に競合できるほどの技を身につけた上に、連続ループのような教わっていない高度な技までこなせるようになった。一方人間の操縦が優っているのは予期せぬ新しいシチュエーションに素早く反応できる点だろう。屋外でドローンを飛ばすということは、吹き風や鳥といった予期せぬシチュエーションがつきものだ。


Originally published on IEEE スペクトラム(https://spectrum.ieee.org/automaton/robotics/drones/ai-powered-drone-extreme-acrobatics) By Evan Ackerman


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